物理学者ロートブラット博士


★★物理学者ロートブラット博士。。。
  核兵器なき世界の創出へ戦い続けた「平和の獅子」との11年ぶりの再開。
  2000年2月10日のこと。
  91歳とは思えない若々しく青年のような瞳に輝きを放つ博士を、
  先生は語り合いの中でこう仰ってる。★★



なぜ、これほど若々しいのか―――。

博士と語り合ううちに、その秘密が分かったような気がした。


第1に「大目的に生きている」からだ。

ラッセル・アインシュタイン宣言」の署名者の中で、
生存しているのはもはや博士だけだった。

「だからこそ、自分が核兵器の脅威を訴えなければならない」

この断固たる使命感が、
博士の全身の細胞を生き生きと活性化していたのだろう。


第2には、逞しき「楽観主義」だ。

博士の最愛の奥様は、ホロコースト(大量虐殺)の犠牲となった。

不慮の事態で救出はかなわなかった…。

無念の心情を語る博士の瞳に、涙が光っていたことが忘れられない。

博士は最も深い悲哀を、最も深い平和への決意に変え、
亡き奥様と一体になって人類のために走り続けてこられた。

「人類の未来については、楽観的でなくてはならないと私は思っています。

 その反対はなんでしょう。

 互いに悲観主義に陥ってしまえば、破壊し合うことでしかありません」

これが博士の透徹した信念であった。


しかも博士のいう「楽観主義」とは、安閑として待つことではない。

徹底した行動を伴う。

原爆が投下された後、博士はイギリス中の大学を回り、
人類の危機をアピールされた。

パグウォッシュ会議発足後、核廃絶を訴え、訪れた国は100ヶ国にも上る。

この日の会見にも、厳寒のロンドンから関西空港で乗り継ぎ、
はるばる沖縄へと駆けつけて下さった。

まさに「行動」こそ、博士の若さの第3の秘訣だった。




仏法を実践する者は
年は・わか(若)うなり福はかさなり」(御書1135㌻)と説かれている。

生き生きと!若々しく!これが仏法者の証なのだ。

しかめっ面は傲慢の表れ。不機嫌は怠け者の証拠である。

深刻な表情は臆病者の印だ。

くよくよする暇があったら、思い切って前へ勧め!

晴れ晴れと動いてみる事だ。

「賢者は喜び愚者は退く」(御書1091㌻)である。

猛然と動いて、決然と語って、敢然と戦う。

生命の息吹で悩みなど全部吹き飛ばしていくのだ。

仏法の真髄は歓喜の中の大歓喜」(御書788㌻)である。

リーダーの生命に弾むような勢いがあれば、必ず社会は躍動する。

閉塞した時代に爽快な風を通すことができるのだ。



〜『世界との語らい』聖教新聞2006.7.2〜