練磨


山本伸一の話は、青春時代の自分の体験に及んだ。

戸田先生が事業の再建のために苦闘されていた時代が、
私にとっても、最も苦しい時代でした。

健康状態も最悪であり、給料は遅配が続き、無理に無理を重ねていました。

そして、先生とお会いした時に、つい、弱音を口にしてしまった事がありました。

その時、先生が厳しく言われた言葉が忘れられません。

『伸一、信心は行き詰まりとの永遠の闘争なんだ。

 魔と仏の闘争が信心だ。

 それが“仏法は勝負”という事なんだ』

人生には、誰でも行き詰まりがあります。

事業に行き詰まりを感じている人もいるかもしれない。

夫婦の関係にも、行き詰ってしまう事があるでしょう。

子育てでも、人間関係の面でも、あるいは、折伏や教学に励んでいる時も、
行き詰まりを感づることがあるかもしれません。

しかし、御本尊の力は広大無辺であり、宇宙大であります。

ゆえに、私たちの生命も、無限の可能性を秘めています。

つまり、問題は私たちの一念に、
行き詰まりがあるかどうかにかかっています。

それを本当に自覚した時には、既に勝利の道が開かれているんです。



〜新人間革命 第2巻第2章「練磨」〜