去年の暮れ、ワタシは介護職に復職した。
すったもんだの末。
でもま、その話しは後日、綴ることにしよう。

その、職場の女性理学療法士Aさん。
50の声を聞くお年だろうか。
ワタシは、ふくよかな見た目に違わずいつも大らかな振る舞いに信頼を寄せている。
そんな彼女の素晴らしさは、いつも「笑顔」でいること。
どんな時でもだ。


先日、部署違いなのだけど、Aさんのお手伝いをする業務についた。
リハビリを受けて頂くために、ある高齢の利用者さんをAさんの元へ誘導した。
認知症のレベル高く、日常会話も困難、日常を介助無しでは難しい利用者さん。
そんな利用者さんが、Aさんの顔を見た途端…
「A先生は観音様や〜」と歌うように何度も何度も繰り返した。
そして、リハビリ施行中のAさんの顔を両手で包み…
「あっち(あの世)に行ってもA先生には恩返しするからねぇ〜」と涙を流す。
宗教云々の話しでなく、その利用者さんはAさんに心から感謝されての姿なのだろうと思う。
Aさんもワタシもつい涙ぐんじゃった。


食事も排泄もAさんが関わる事はない。
けれど、日々の数十分の関わりの中で、Aさんの真心の笑顔が、その利用者さんの心に響いた。
「感謝」という心を。


Aさんはたぶん同志ではない。
でも、どんな人にも備わる心がある。
折々の縁に触れて変わる心ならば、ワタシも良き心を引き出せる自分でありたい。
真心の笑顔で、出会った方を笑顔にできる自分になりたい。
ワタシの中の仏性を信じて。

(きょん)